私たちの体は常に、気象変化というストレスを受けています。
実は「更年期障害」も気象の影響を受ける可能性があるのだそうです。
私たちの体には、外部環境の変化にかかわらず体温などを一定に保つといった恒常性を維持する働きが備わっています。その働きに重要な役割を果たしているのが自律神経です。
自律神経には、心や体を活動的な方向に促す交感神経と、興奮した精神や肉体を安らぐ方向に導く副交感神経の2種類があり、それぞれがバランスを取りながら体の機能を調節しています。
ところが気象が変化すると、人間の体はこの変化をストレスと感じてそれに抵抗しようとし、このことが自律神経の混乱を招き、体の不調をきたしてしまいます。気圧、気温、湿度という要素の中BUT 特に気圧の低下が自律神経を乱すことがわかっています。
気象病と更年期症状がダブルでやってくる
更年期症状もまた自律神経が関わっています。脳からの指令により卵巣はエストロゲンを分泌し、さらに脳へ分泌していることを知らせる(応答する)ことで、エストロゲン分泌はコントロールされていますが、巣の機能が衰えると、十分なエストロゲンの分泌ができず、指令と応答の関係が崩れてしまうと脳が混乱して様々な症状を引き起こしてしまうのです。
更年期障害の症状は自律神経を介して現れるものであるため、気象病と症状が似ています。
気象の影響を受けて、頭痛、むくみ、めまい、耳鳴りなどの症状が出やすいようです。
女性は筋肉量が少ないうえに薄着をすることが多いため、冷え性が多い、頭を支えきれずに肩コリや首コリが多いといった特徴があります。
気象病の代表的な症状
- めまい
- 頭痛
- 疲労感
- 吐き気
- 首や肩の凝り
- 低血圧
- 関節痛
- 痛み(古傷が痛む)
- 手足のしびれ
- うつ
- 喘息発作が出やすくなる
- 狭心症の症状の悪化
気象病は「内耳」が関係している
気圧の変化を察知するセンサーは「耳」にあると考えられています。
内耳は主に、耳で受けた情報を脳や神経に伝える役割をしています。
近年の研究により、内耳の前庭器官には気圧の変化を感知する場所と能力があることが明らかになりました。
外部の気圧の変化を感じると、前庭神経が興奮し、その情報が脳へと伝わります。この内耳から脳への情報伝達によって自律神経のバランスが乱れて体の不調をきたしてしまうのです
気象病を訴える人の多くは、何らかの原因でこの気圧を感受性が強くが敏感なため、脳に過剰に情報が伝わり、その結果、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れ、症状が出やすいのではないかと考えられています。
気象病を改善したい方におすすめ
くるくる耳マッサージ
- 親指と人差し指で両耳を軽くつまみ、上・下・横に、それぞれ5秒ずつひっぱります。
- 耳を軽く横に引っ張りながら、後ろ芳香に5回、ゆっくりと回します。
- 耳を包むように折り曲げて、5秒間キープします。
- 手のひらで耳全体を覆い、後ろ芳香に円を描くようにゆっくりと回します。これを5回行います。
気象病におすすめの漢方薬
気象病の改善には水の巡りを整えることが一番だと考えています。
おすすめなのが漢方薬です。カラダの中からしっかりと水の巡りを整えることで、根本原因を改善し、気象病になりにくいカラダにリセットしましょう。
水の巡りを良くする漢方薬はたくさんありますが、その中BUT 気象病に多い“めまい”や“頭痛”などの症状に重きを置いたのが「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」という漢方薬です。
苓桂朮甘湯は水の巡りを良くし、たまった余分な水を取り除くとともに、気を補ってその上昇を助けることで、めまいや立ちくらみ、頭痛、耳鳴り、動悸・息切れ、神経症、神経過敏などの症状を改善してくれます。
自律神経のバランスを整える
更年期症状も気象病も自律神経を整えることが大切です。
生活するうえで以下のことを気を付けてみてください。
- 生活リズムを整える。
- 朝食をきちんと摂る。
- 適度な運動をする。
- 十分な睡眠をとる。
- 朝は熱め(42℃)のシャワーを浴び、交感神経を優位にする。
- 夜はゆっくりぬるめ(38~40℃位)の湯船に浸かり、副交感神経を優位にする。
低気圧を知らせるアプリ
天気予報と連動して気圧を予測し、頭痛のきっかけを知らせてくれるアプリなどを活用するのも良いでしょう。
- 頭痛ーる
- 高度計アプリ
- やんなっちゃったきろく 気圧グラフで頭痛を予測
などいろいろあります。
気象病 まとめ
これから梅雨から夏にかけて、台風・ゲリラ豪雨・猛暑など気圧が変化する時期です。気圧の変化は私達の身体に影響を及ぼします。
事前に気圧の変化を知って適切な対応をすることで、上手に付き合っていきたいものですね。